ニュースレターの持つ、メディアのマネタイズへの可能性:Scribble #14
こんにちは。
先週は、「TECHCRUNCH JAPANとエンガジェット日本版が終了」という、なかなか衝撃なニュースがありました。いろいろな考察がされていますが、「ウェブメディアのマネタイズ戦略の日米の違い」を、ニュースレターの活用という点で考えを巡らせてみます。
そもそも海外ウェブメディアの多くは、「有料会員」を主要のマネタイズモデルにしています。
これまでも紹介してきた海外の記事を見ても、「どうやって有料会員化するか、それに寄与する戦略・戦術を持っているか」に多くの知恵と経験が割かれています。
一方、国内のウェブメディアの多くは、「広告モデル」をマネタイズの主としています。PVを増やし、掲載した広告からの収益です。
国内の大手メディアになると、スマートニュース、Yahoo!ニュースのような外部配信のニュースサービス経由が多く(雑誌系メディアになると倍〜数倍のPVがほとんど)、露出=利益は、ある意味で理にかなっています。これは、ニュースやトレンドネタなどの速報性に強いメディアで多いモデルです。
ストック型のメディアでは、Google検索流入からの会員登録や申し込みのようなモデルも主流です。こちらは、比較系やHowToなどの知識系のネタに強いメディアで多いモデルです。
ただ、この2つのモデルには、それぞれ致命的な欠点があります。
一つは、流入経路が「外部」に握られること。
流入経路が外部に委ねられるデメリットは、検索エンジンのアルゴリズム変更やニュースアプリの変更により、流入が一気に得られなくなる可能性があることです。いつ、売上が激減するかわかりません。
もう一つは、読者満足度が売上に直接つながっていないこと。
例えば、ページを分割したり、センセーショナルなタイトルや話題を扱ったり、広告をたくさん配置したり、やらせや嘘の記事、ステマの記事であっても、PVや広告露出が増えれば売上は短期的には増えます。
逆を言えば、「読者を満足させる記事」を作ったとしても、必ずしもそのメディアは儲からないモデルです。
一方で、海外は、「有益な情報は有料で当たり前」「無料会員を継続的に獲得し続ける戦略や仕組みをどう設けるか」「どう有料会員化させるか」「有料会員をどう満足させ、購読を継続させるか」という戦略に重きを置いています。
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