認知度ゼロからニュースレターを始めるのはちょっと厳しい:Scribble #23

『Scribble』は日曜の朝に届く「ニュースレター」のニュースレターです。ニュースレターに関する話題や発見をお届けします。今週は、まったく0からニュースレターを始める難しさと現実について。
長谷川翔一 2022.05.15
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こんにちは。ニュースレターについてのニュースレター「Scribble(スクライブル)」です。

先週出たばかりのSubstack公式によるニュースレターのグロース事例「Grow」を読んでいました。

今回も事例が紹介されていたのですが…ふと、ほとんどの事例が、他プラットフォーム(InstagramやTwitter)との連携やコミュニティありきなことに気がつきました。少なくともSubstackでは、トップパブリッシャーはもともと多くのフォロワーを抱えています。

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海外でニュースレターは話題になっていますが、「全ライターにおけるトップ0.1%以下が50%のシェアを占めるている」というデータがあります。

日本でも「ニュースレター始めますっ!」という方は、ほかのプラットフォームで不満を持っていたり、ニュースレターが流行っているからという動機が多いようです。

ただ、トップのパブリッシャーになるほど、もともとTwitterなりInstagramなりnoteなりでコンテンツや専門家としての知見を発揮しており、認知の入り口を確保している状態です。

「認知度0、ニュースレターから始める」という人が成功している事例はまだありません。

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そもそも「ニュースレターをフォローする」のは、他プラットフォームが入り口になっているケースがほとんどです。

SNSで普段から情報発信をしていることが必要になります。「詳しくはこちら」とか「この人の情報を見逃したくない」という動機の落とし所がニュースレターになります。

割合の部分もありますが、最近紹介してきた「ニュースレターの成功には、ジャーナリズムが必要」という話ともちょっと矛盾するような話ですね。

(一見、矛盾するようなのですが、実はそうではなくて…クラウドファンディングの話に近いのですが、「発信力を持っていればニュースレターも成功する」ではないからです。情報を得たいとかだけなら、ニュースレターまでフォローする必要はありませんし)

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気をつけなきゃなと思ったのが、もともとある分野で認知を獲得していたとしてもそれが地続きではない分野でやる場合です。別で発信力を持っていたとしても、それと関連性が低ければ、効果は低くなります。

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