Scribble創刊号:ニュースレターとメルマガ、なにが違う?
お待たせしました。『Scribble Letter』です。
1月に「真面目なニュースレターを自分でも始める」と言い出してから半年以上かかってしました。。
だらだら先延ばしてきたわけではなく…SubstackやRevue(Twitterのレター機能)など、いろいろ試した研究結果を、しばらく書いていく予定です。
ニュースレターの可能性、種類、配信サービス比較、おすすめのレター、始め方・続け方などを紹介していく予定です。創刊号では「ニュースとメルマガと何が違うのか?」というテーマをお届けしていきます。
さて、本題に入る前に「なぜニュースレターを取り上げていこう」と思ったか、簡単に触れたいと思います。
ニュースレターを知ったのは、世界中の記事を紹介する『Lobsterr Letter』がきっかけでした。
これまでもメールマーケティングの経験はありましたが、「メール本文で7,000字以上のコンテンツ量」「週刊で届くメールボックス内のセレンディピティ」は、新鮮な出会いでした。
ニュースレターは、単なる「PVを上げるチャネル」の枠を超えた、特別なコンテクストやこんな可能性を秘めています。
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先進的なアイデア(オープンに書くと不特定多数からクレームが来るような)の実験場
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マニアックなこぼれ話(編集後記や裏話)を発信し、ファンとの繋がりの強化
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同時性のないスローなコミュニケーション
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ライターやメディアの新たな収益源となるクローズドコンテンツ
ニュースレターは、ストック型でもありフロー型でもある。ファストでもありスローでもあります。
そんなニュースレターですが、「メルマガと何が違うの?」とピンとこない人が多いと思います。
ざっくりと整理すると、多くのニュースレターには特徴が4つあります。
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読者接点がメールボックス
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メール本文そのものがコンテンツ
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読者が自ら望んで購読
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定期的に届く
メールで届くもので、本文そのものがコンテンツ
ニュースレターは「メールそのものがコンテンツ」。途中にリンクがないものや数千字を超えるレターも珍しくありません。
逆に、多くのメルマガの内容は「リンクの案内」。目的は「特定のURL(記事やイベント、ECサイトなど)をクリックさせる」ことです。
目的が違うと、タイトルや本文のデザインも変わってきます。
メルマガは「いかにメールを開かせるか、リンクを踏ませるか」が重要になります。一方、ニュースレターでは、「最後まで読んでもらう」「定期購読」が大切になります。
メルマガで重要なのが「開きたくなるタイトル」「クリックしたくなるCTA」になるのに対して、ニュースレターは「親しみを感じる導入文」「連続性のあるテーマや定期配信」「読者に負担を与えない文章やデザイン」が必要とされます。
読者が自ら望んで購読するニュースレター
多くのメルマガは、「勝手に」送られてくるものですよね。
名刺交換・セミナー参加・資料請求・会員登録の翌日(場合によってはその瞬間)から、送られてくるものが多いです。
一方、読者が自主的に「購読」ボタンを押すもののがニュースレターです。レターを読みたくて、読んでいます。有料レターも少なくありません。
個人的には、ニュースレターを「メルマガのカウンターカルチャー」だと捉えています。メルマガが「チラシ」だとすると、ニュースレターには「文通」です。
文通が一度で終わらないように、ニュースレターは繰り返し届き、読者を想像しながら書き続けることで、特別な文脈やコンテクストが生まれていきます。
途中から読んだ人にはわからない、読み込むほど・回数を重ねるほどに魅力を増していくのが、ニュースレターの真価です。
ニュースレター配信サービス「Substack」が切り開く市場
海外では、ニュースレターが話題になっています。後押ししているのが「Substack」。noteのような勢いがあります。
従来のメルマガとSubstackの違いは、ニュースレターをアーカイブページ化できることです。
人気のあったレターを未購読者向けに公開できるし、購読者になると過去分も見られます。
フロー化しやすいメールコンテンツをストックコンテンツに変えることができます。
これまでメールコンテンツを始めるのは、個人では大変でした。
メールアドレスを管理するシステムを用意し、配信システムを用意し(BCCで送るのはダメ絶対!)、HTMLメールをデザインし、、、。課金システムを入れたいなら、さらに大変です。イッツヘビー!
Mailchimpは悪くないですが、管理画面がハイスペックすぎて、書き始めるのに腰が重くなる…。一部のウェブに慣れた人しかできませんでした。
そこに登場したのが、Substack。
これはnoteが登場する前のブログ文化に似ています。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」。個人がニュースレターを始められるSubstackのスタンスに重なります。
と、ここまで読んだ方からすると、「じゃあ、noteがあれば、ニュースレターは日本では伸びないのでは?」と疑問が湧いてくるのではないでしょうか???
そこで来週のニュースレターでは、「ニュースレターの種類と秘める可能性」を紹介する予定です。ご期待ください。
今週のおすすめのニュースレター紹介
最後に、おすすめのニュースレターを一つ紹介していきます。
今回おすすめするのは『Lobsterr Letter』。
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頻度:毎週月曜日朝
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料金:無料
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テーマ:世界のビジネスやカルチャーのニュース
世界中のメディアから「変化の種」となるようなストーリーをキュレートするウィークリーニュースレター。コンパクトな文量で、ロングスパンの視座を。皮肉や批判よりも、分析と考察を。ファストフードのようなニュースではなく、心と頭の栄養となるようなインサイトを。目まぐるしく進む社会のなかで、立ち止まり、深呼吸をして、考えるためのきっかけをお届けします。
私が一番好きなニュースレターで、始めるきっかけにもなったニュースレターでもあります。なんと毎週7,000〜10,000字ほどで、7つほどの世界のニュースが紹介されています。冒頭の「outlook」というコーナーが、ショートエッセイのようで、このコーナーが特に楽しみです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。もし、質問や感想まであれば、「#ScribbleLetter」で教えてください。
それでは、また次週日曜日のお昼に、皆さんのメールボックスでお会いしましょう。
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