ニュースメディアはニュースレターを独自のメディアだと認識していない:Scribble #16
春の先駆け、暖かい日差しのなかで書いています。
ニュースレターの未来を考えるニュースレター「Scribble(スクライブル)」を、今回も開いていただき、ありがとうございます。
土曜日の午後から毎週ネタに苦しみながら、ニュースレターを書いています。「仕組み化して楽しよう」とか「書き溜めしておこう」とか毎週考えるのですが、今のところ、そうしないでいます。
というのも、ニュースレターというのは、ネタの鮮度や書き手のフレッシュな熱量みたいなものが必要だと思っているからなんですよね。
書き手側の「楽しよう」という気持ちは、読み手側には結構伝わっています。
ニュースレターを通じた朝日新聞のペイウォール戦略を勝手に考えてみる
今回も、朝日新聞のニュースレターについてです。
デジタル化に力を入れている朝日新聞のペイウォール戦略を、勝手に考えてみました。
ペイウォール(paywall)とは、WebサイトやWebメディアがコンテンツや記事を有料化し、対価を支払ったユーザーや有料会員だけが全文の閲覧や全コンテンツの利用をできる仕組みのこと。
Webメディアの収入源として広告収入に加えてユーザー課金収入が増えることで、より安定した運営につなげられる。対価を支払ったユーザーだけが「壁で囲い込んだ中」に入れることに由来する。
(こういうものは、当事者からすると「分かってるわ」が多いし、結果論になりやすいのも承知です。同じようにニュースレターに取り組む方のヒントになると思い、題材とさせていただきました。朝日新聞の関係者がご覧になって不快に思われたらすみません)
追記:「所詮、無料のニュースレターだから」「有料と無料のレターを比べても」という声をいただきましたが、今回取り上げているレターはすべて無料のレターです。また、「ニュースレターそのもの」の評価よりも、ペイウォール戦略の入り口としてニュースレターをみた時の課題について書いています。
私は朝日新聞の無料会員ですが、ニュースレターの形態は、タイトル+リンクの昔ながらのメルマガ形式です。レターのタイトルには、トピックに取り上げられている記事タイトルがそのまま採用されています。
https://ml.asahi.com/p/000004c215/14052/body/pc.html
さて、私はこのレターから記事をクリックしたことは数回しかありません。その理由は4つあります。
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1:読みたいとそそられる記事の案内ではない
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2:記事の内容がレター内で伝わらない
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3:なぜ、その記事をピックアップしたのか理由が伝わらない
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4:レタータイトルに興味をそそられない
おそらく自動化して配信しているのだと思いますが、これだと「朝日新聞が発行」している意味はないように思えます。ユーザー体験としてはニュースアプリを下回ります。
私はいまのところ、有料会員になるきっかけもニュースレターからは生まれたことはありません。
ニュースレターと外部配信ニュースアプリとの違いは、発行側がユーザー体験をデザインできること。
よく開封・クリックするニュースメディアのニュースレターの特徴
逆に私がよくクリックするニュースレターに、「Media Innovation」というメディアのレターがあります。