一貫性と予測不可能性がサブクスライブを強くする:Scribble #11

『Scribble』は日曜の朝に届く「ニュースレター」のニュースレターです。ニュースレターに関する話題や発見をお届けします。今週は、ニュースレターのグロース戦略のポイントについてお送りします。
長谷川翔一 2022.01.30
読者限定

こんにちは。

ようやく、これまでのニュースレターをまとめたnoteを出せました。

これまでの連載を1本に再録・追記・編集をしたものですが、2章「ニュースレターの始め方」の終わりまで無料公開しています。「まとめて振り返りたい」という方はよろしければ。

編集協力をいただき、テーマの選び方や配信サービスの比較などだいぶわかりやすくなっているかと思います。

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今回は、前回の「サブスクライブ(購読登録)の強弱」に関連して、「一貫性と予測不可能性がサブクスライブを強くする」というテーマです。

Substack公式によるニュースレターのグロース戦略を解説します。

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まず紹介する記事は、「Grow: How consistency over time helped The Profile build its readership(長期にわたる一貫性が読者層の構築にどのように役立ったか)」。

Substack公式が、有料読者を増やすためのポイントや細かい工夫を実際の事例をもとにまとめた記事となります。

取り上げられた「The Profile」は、無料加入者:数万人、有料購読者:数千人の人気ニュースレターです。

著名人を特集したニュースレターの配信は週2回、水曜日と日曜日。有料投稿は水曜日、無料の投稿は日曜日、価格は月額10ドルまたは年額50ドルです。

「The Profile」は、ニュースレターのグロースのポイントを「Consistency + time = trust(一貫性+時間=信頼)」と挙げています。

人々の信頼を得る唯一の方法は、一貫して約束を守り、約束したことを実現することだと私は学びました。ですから、あなたのビジネスが何であれ、ユーザー、読者、あるいは顧客が、時間通りに一貫して製品を送ってくれるという信頼感を得られるようにしましょう。定期的に続けられるかどうかわからないものは、始めないでください。

これは以前も紹介した「ニュースレターは連続性のメディアなので、続ける前提で企画やフォーマットを組もう」ということにつながりますね。

逆に「グロースに役に立たなかった意見」として、「コンテンツの多様化」を挙げています。

ポッドキャストやビデオなど、コンテンツを多様化したほうがいいと言われました。これは、それぞれのチャンネルで一貫性を保とうとする場合にのみ有効な方法です。

私は、"ザ・プロファイルについて知ってもらうために、これが絶対的に最も効率的な方法なのか、それとももっと手間のかからない方法が他にあるのか "と自問自答してみました。

時には、ひとつのことを倍増させることが(私にとってはニュースレターがそうでした)、成長のための最良の方法となるのです。時間とリソースに余裕があるときに多様化し、それぞれの新しいプロジェクトに一貫性を持たせるようにしましょう。

一つのコンテンツを作った時、それをコンバートして、他のチャネルに転用するケースが増えてきました。

しかし、ニュースレターに限定すると、面を広くしてニュースレターの認知を拡大させることは必ずしも成長にはつながらないと言っています。

また、継続する大事さを、「いつ人の目に乗るか、分からないから」とも表現しています。

"すべての記事はセレンディピティの乗り物である"あなたの作品が誰の目に留まるかはわかりません。あなたがコントロールできる唯一のことは、あなたの運を最大化することを期待して、適切な人々にそれを送り、タグ付けするという余分なステップを踏むことです。

"Every article is a serendipity vehicle." You never know whose eyes your work will land in front of. The only thing you can control is taking that extra step of sending it to/tagging the right people in hopes of maximizing your luck.

TheProfileは、一人のインフルエンサーのツイートをきっかけに広がりました。しかし、それは狙ったものではなく、たまたまでした。たまたまと言う運をとらえるには、一貫性と時間こそがポイントだと挙げています。

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では、「一貫性」だけを信じて、同じような内容を漫然と続けていればいいのか?

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